3匹いれば癒やしも3倍 宮城県利府町の田中さん【動画】

  • 2024-08-15
  • 2024-08-15
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 秋田犬の素晴らしさを教えてくれた1匹目、警戒心が強い2匹目、おてんば過ぎる3匹目―。宮城県利府町の会社員田中知明さん(62)=秋田県大館市出身=は、個性豊かな3匹を育てている。「3匹いれば癒やしも3倍」と、外出先での出会いや交流サイト(SNS)を通じて秋田犬の魅力を伝えている。

見頃を迎えたハスの前でポーズを撮る(右から)いろは、れお、牟宗姫

 赤毛のいろは(雌、5歳)と、れお(雄、3歳)は親子。虎毛で長毛の牟宗姫(雌、10カ月)は通称「むうちゃん」だ。

 今月4日、実家のある秋田市に帰省していた田中さんは妻(55)、長女(27)と一緒に3匹を連れて散歩に出かけた。

 お目当ては、千秋公園の大手門の堀に先月開通した遊歩道。見頃を迎えたハスを間近で鑑賞できる新名所だ。秋田に住む秋田犬の飼い主たちがSNSに投稿しているのを見て、気になっていたのだという。

 この日はちょうど、秋田竿燈まつり(3~6日)の期間中だったこともあり、遊歩道は朝から多くの観光客が行き交っていた。

散歩中に信号待ちする3匹

 おてんばなむうちゃんがさっそうと前を行き、穏やかな性格のいろはと、少し臆病なキャラのれおが後ろから続く。連なって散歩していると注目され、「秋田犬が3匹もいる」と驚く人や、「写真いいですか」と声をかけてくる人もいた。

 田中さんが快く応じると、すぐに数人が集まり、即席の撮影会が始まった。3匹は寝そべったポーズを見せたり、カメラに目線を合わせたりとサービス精神満点。初対面の人に触られても平気そうにしていた。

 竿燈を見るため夫婦で東京から秋田を訪れていた石川幸子さん(75)も、3匹を夢中で撮影していた一人。「まさか、大好きな秋田犬にばったり出合えるなんて。フレンドリーで癒やされた。秋田で一番の思い出になった」と語り、触れ合いを楽しんでいた。

 散歩中には、さまざまな質問も受けた。「体重は何キロあるんですか」「散歩するの大変じゃないですか」。田中さんは一つ一つに丁寧に答え、最後には必ず「秋田犬を飼うのっていいですよ」と付け加える。自身が心の底から実感しているからだ。

散歩中、日陰で寝そべって休憩する3匹

 大館出身ということもあり「いつか犬を飼うなら、秋田犬がいい」と考えていた田中さん。6年前に子ども2人が独立し「今なら責任を持って大型犬を飼うことができる」と、秋田犬を迎えることにした。

 最初に飼ったいろはは、大館の犬舎出身。生後50日の頃、見学に行くと、上に向かって一生懸命飛び跳ねる姿が「かわい過ぎてもう、大変だった」のだという。

 いろはを飼い始めて、飼い主に忠実な秋田犬の性格にすっかり魅了された。趣味だった渓流釣りにはほとんど行かなくなり、いろはと過ごす時間が増えた。自宅での出産にも立ち会った。「名前の通り、秋田犬の『いろは』を教えてくれた存在です」。生まれた4匹の中から、妻の希望でれおを手元に残した。

 れおのパートナー候補として昨年11月に仲間入りしたのが、むうちゃんこと牟宗姫だ。次に飼うのは虎毛と決めていた田中さんが、ひと目で「ビビビっときた」。知り合いが飼っている長毛の秋田犬がみな、優しい性格だと感じていたのも決め手になった。

 一般的に、多頭飼いはハードルが高いと思われがちだが、田中さんは「しつけさえしっかりすれば、大変なことはない」と語る。人間に危害を加えないよう、かんではいけないことを特に強くしつけている。

 元気いっぱいのむうちゃんと、おおらかに見守るいろは。れおも少しずつむうちゃんに心を開き始めている様子で、ゆったりとしたペースながら3匹の関係性を紡ごうとしている。

 田中さんは「三重の伊勢神宮や男鹿のゴジラ岩など、トリオを連れて出かけたい場所がたくさんある。そのためには犬たちよりも長生きしないと。秋田犬を飼う魅力も、行く先々で伝えていけるといいな」と話した。

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わんこがつなぐ世界と秋田

モフモフした毛並みに、つぶらな瞳、くるりと丸まった愛らしいしっぽ。たくましい身体を持ち、飼い主に忠実な性格でも知られる秋田犬は、今や世界中の人気者です。海外での飼育頭数は増え続け、本場の秋田では観光振興に生かそうという動きも活発化してきました。秋田魁新報は「秋田犬新聞」と題し、国内外のさまざまな情報を発信していきます。秋田犬を通して世界と秋田をつなぐ―。そんなメディアを目指していきます。

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