りりしい秋田犬勢揃い 本部展、コロナ対策講じ2年ぶり開催

 国の天然記念物に指定されている秋田犬の容姿の美しさを競う秋田犬保存会(秋田県大館市)主催の第143回本部展が3日、大館市の桂城公園で開かれた。全国の愛犬家に育てられた171匹がエントリーし、堂々とした立ち振る舞いを見せた。昨年の大館市開催は新型コロナウイルス感染防止のため中止となっており、2年ぶり。来場者に検温を実施するなどの感染対策を講じた。

審査を受ける秋田犬

 審査は、幼犬B(6カ月以上8カ月未満)から成犬A(4歳以上)まで、年齢別6部門の雄雌ごとに行われた。保存会が1938年に定めた「秋田犬標準」を基に、審査員7人が秋田犬らしい特徴が現れているかを1匹ずつチェック。立った姿勢のほか、毛並みや歯並びの美しさなどを採点した。

 開会式では雨が降ったが、審査が始まると上がり、日の差す時間帯もあった。会場には秋田犬ファンが訪れ、りりしい立ち姿をカメラに収めるなどしていた。

大館市役所新庁舎の上から見た会場。秋田犬のふるさとは来場者と犬たちで熱を帯びていた

 出陳経験があり、現在も秋田犬4匹を飼っている宮城県登米市の男性(84)は「60年くらい欠かさず来ていたので、昨年は寂しかった。今年は毛並みが良く、目の座った堂々とした犬が出ている」と話した。

 保存会の遠藤敬会長は「開催するかどうか迷ったが、会員はこの日に合わせて365日間手塩にかけており、感染対策をしっかり講じた上で開いた。コロナが収束すれば、インバウンド(訪日外国人客)を含めて多くの人が秋田犬の聖地・大館を訪れるようにしたい」と述べた。

 新型コロナ感染対策として検温のほか、マスク着用を呼び掛け、まとまった人数での食事を避けるため昼休憩を設けなかった。

 本部展は春と秋の2回で、本部のある大館市で開かれる春が全国最大規模。秋は他都市で開かれている。

同じ場所を見ていても、犬によって表情はさまざま

 各部門の最優秀は次の通り。(かっこ内の出陳者は敬称略、地名は支部名)

 【成犬A】▽雄=五門(仲野秀明、大阪府)▽雌=琴舞姫(今井深士、三岐)
 【成犬B】▽雄=玉鋼(エンジェル・イタイ、秋田県北)▽雌=天照女(渡辺政治、宮城県)
 【壮犬】▽雄=煌琳(松嶋善久、大阪府)▽雌=澄香(エンジェル・イタイ、秋田県北)
 【若犬】▽雄=安房大帝(林洋一、埼玉県中央)▽雌=真都俚(丸野保、滋賀県)
 【幼犬A】▽雄=花竜(今井深士、三岐)▽雌=花竜姫(今井深士、三岐)
 【幼犬B】▽雄=和真(大越智美、千葉県)▽雌=奏(遠藤兵治、秋田中央)

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わんこがつなぐ世界と秋田

モフモフした毛並みに、つぶらな瞳、くるりと丸まった愛らしいしっぽ。たくましい身体を持ち、飼い主に忠実な性格でも知られる秋田犬は、今や世界中の人気者です。海外での飼育頭数は増え続け、本場の秋田では観光振興に生かそうという動きも活発化してきました。秋田魁新報は「秋田犬新聞」と題し、国内外のさまざまな情報を発信していきます。秋田犬を通して世界と秋田をつなぐ―。そんなメディアを目指していきます。

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