人口減少など課題が山積した秋田県を救おうという、秋田犬をモチーフにしたヒーロー「あーまん」が今年2月に誕生した。県内各地のイベントに登場し、見た目や言動の“ゆるさ”でじわじわとファンを獲得している。(取材・藤岡真希)
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あーまんを考案し、マネジャーを務めているのは横手市の会社員男性(30)だが、あーまんの正体は非公表。「課題の多い秋田を魅力的な県にする」ために、世界的に知名度が高い秋田犬をベースにしたキャラクターで観光客を呼び込もうとしている。全国にはキャラクターの力を借りてふるさと納税の寄付額を大幅にアップさせた例もあることから、経済への波及効果も狙っているという。
太い眉毛と不思議な形の目がチャームポイント。身長は200センチで、半分近くを顔が占める。そのため、イベント会場の入り口を通れず、参加できなかった苦い経験を持つ。今後イベント出演などの際、顔の大きさが原因で電車や飛行機に乗れないということにならないよう、時間があれば小顔ローラーでマッサージしているのだとか。
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性格は「すぐふざける、何事も全力でやり切らない」。イベント中は多彩なポーズを決めているかと思えば、柱にもたれて休む場面も。そんなあーまんに癒され、イベントに必ず足を運んでくれるファンが出てきたという。時には手作りのうちわや似顔絵のプレゼントもあり、大切な宝物になっている
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好きな漫画に挙げたのは「SLAM DUNK(スラムダンク)」。主人公・桜木花道の仲間、水戸洋平が好きで「自らの手柄をひけらかさないところは、ワイ(私)が理想とするヒーロー像そのもの」と熱っぽく語る。「桜木からは周りを巻き込む力を学んだ」とも。
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活動開始後は数人しかいなかった交流サイト(SNS)のフォロワーは、今や全国各地に散らばり、一日で数十人増えることもある。スラムダンクの名ぜりふ「あきらめたらそこで試合終了」を座右の銘に活動してきた成果だと胸を張る。
活動を始めて約4カ月。まだ県北のイベントに登場したことがない。「大館市の秋田犬の里などに行って、本物の秋田犬とコラボしてみたい。ゆくゆくは秋田犬の保存活動にも取り組みたい」とあーまん。
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マネジャーは「実際に会うとかわいさや憎めない生意気さを感じられるはず。イベントで見掛けたらぜひ声を掛けて」とPRする。
あーまんが登場するイベントはホームページ(https://www.ahman-thehero.com/)から確認できる。