自然豊かな暮らしを発信 鹿角市の「陸奥」と上田さん夫婦【動画】

  • 2024-07-17
  • 2024-07-18
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 軽トラックの荷台に乗って畑に遊びに行ったり、川に入って涼んだり。秋田県鹿角市の陸奥(雄、1歳)は、豊かな自然に囲まれた暮らしを満喫している。飼い主の上田将之さん(37)、千里さん(31)夫婦は、陸奥の様子を交流サイト(SNS)で積極的に発信。「癒やされる」と多くの反応が寄せられている。

軽トラックの荷台に乗せた陸奥に話しかける兼吉さん(右)

 「陸奥、ルーシー、行きますよ」。先月下旬、夫婦の自宅を訪ねると、千里さんの祖父・児玉兼吉さん(87)が陸奥とチワックスのルーシー(雌、3歳)を抱きかかえ、軽トラックの荷台に乗せるところだった。これから2匹の遊び場でもある畑に向かうのだという。

 運転席に兼吉さん、助手席に妻のキミさん(82)が座り、2匹と2人が乗った軽トラックがゆっくりと走り出した。上空から、将之さんがドローンを飛ばして出発のシーンを撮影する。「これがいつもの光景なんです」

 畑に到着し、兼吉さんが荷台から降ろすと、陸奥は一目散に木陰へと逃げ込んだ。この日は外に出ただけで汗が噴き出すような蒸し暑さ。兼吉さんも陸奥の隣に座り、「暑いなー」と話しかける。

作業小屋で団らんする兼吉さん(右)ら

 畑の脇に作業小屋があり、千里さんとキミさんはみんなで座れるようにと、椅子やプラスチック製のサイダーのケースを並べてくれた。小屋の中は日差しが遮られるので涼しく感じる。ルーシーを抱っこして座ったキミさんは「2匹とも、かわい過ぎるよね」とほほ笑んだ。

 さらに涼を求めて、今度は陸奥の大好きな川へ行くことになった。当の陸奥は暑さのせいで、全く歩きたがらないため、数百メートルの距離を軽トラックで移動。人間の膝丈ほどの草をかき分けるように進むと、川の浅瀬にたどり着いた。

 陸奥はためらうことなく川の中へ。顔を水中にくぐらせたり、体を大きく震わせて水を払ったり…。さっそうと動き回る姿は、まるでここにすむ“主”のよう。りりしく、どのシーンも絵になる。

お気に入りの川でたたずむ陸奥。後ろでは千里さんが撮影

 リードを引いていた千里さんは近くからスマートフォンで、将之さんはドローンを飛ばして上空から、川で遊ぶ陸奥の様子を思い思いに撮影。この日のインスタグラムには「川まで送迎のVIP待遇です」とコメントを添え、動画を投稿した。

 昨年1月、夫婦は鹿角市にある千里さんの実家に住むことになった。自然豊かな住環境が整ったことを機に、千里さんは「昔から好きだった秋田犬を飼いたい」と、知り合いを通じて候補犬を探し始めた。

 紹介された大仙市の犬舎へ向かうと、生後1カ月ほどの5匹がいた。相性を見ようと、先に飼っていたルーシーと対面させた時、唯一近づいてきたのが陸奥だった。家族として迎え入れてからも「2匹は程よい距離感で、うまく共同生活をしています」と千里さん。

 陸奥を飼い始めると同時に、SNSでの発信をスタートさせた。インスタグラム、X(旧ツイッター)、TikTok(ティックトック)にそれぞれアカウントを開設し、投稿を続けている。

 テーマにしているのは「癒やし」だ。畑や田んぼのあぜ道を思いきり走って土だらけになる陸奥。水を張った大きなタライに陸奥が入り、兼吉さんがじょうろで水をかけながら「暑いからこうなんだなあ」と話しかけるシーン。のどかな田園風景の中で繰り広げられる、陸奥と家族のほのぼのとしたやりとりに、見ている人からは「心がほっこりする」「癒される」とコメントが寄せられている。

初めての本部展で若犬・雄部門の3席に入った陸奥。左はハンドラーを務めた将之さん=5月3日、大館市

 今年5月には、秋田犬保存会(大館市)の第149回本部展に初めて出陳。出身の犬舎からは「首回りの毛色の模様で入賞は難しいだろう」と言われていたが、若犬の雄部門で堂々の3席に入った。

 当日はハンドラーを務めた将之さん。本部展に向けては「前日に慌ててシャンプーしたくらい」(千里さん)で、、それ以上特段の準備はしなかったのだという。普段から人慣れしていることもあり、会場でも堂々とした立ち姿と態度を披露、評価を得た。

 大館市観光交流施設「秋田犬の里」での展示にも参加している。上田さん夫婦は「秋田犬は観光面で人気のコンテンツだが、一方で頭数やブリーダーの減少など、さまざまな課題も抱えている。秋田犬の本場・大館市や周辺地域の発展のためにも、自分たちが陸奥の話題を発信することで、秋田犬を飼う人や、秋田犬に会いに来てくれる人が増えてくれればうれしい」と話した。

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わんこがつなぐ世界と秋田

モフモフした毛並みに、つぶらな瞳、くるりと丸まった愛らしいしっぽ。たくましい身体を持ち、飼い主に忠実な性格でも知られる秋田犬は、今や世界中の人気者です。海外での飼育頭数は増え続け、本場の秋田では観光振興に生かそうという動きも活発化してきました。秋田魁新報は「秋田犬新聞」と題し、国内外のさまざまな情報を発信していきます。秋田犬を通して世界と秋田をつなぐ―。そんなメディアを目指していきます。

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