秋田犬がモチーフの自称・秋田県非公認ヒーロー「あーまん」の活動3周年を記念したファンミーティングが1日、秋田市のイオンモール秋田で開かれた。県内外から集まったファンに感謝の気持ちを伝え、「もっと知名度を上げたい」と一層の飛躍を誓った。(デジタル編集部・藤岡真希)

あーまんは2022年2月、人口減などさまざまな課題に直面する本県を救う“ヒーロー”として誕生した。県内外のイベントなどに登場し、外見や言動の「ゆるさ」で徐々にファンを獲得。最近では地元企業のCMに起用されたり、全国のご当地キャラが集結するイベントに参加したりと活躍の場を広げている。

ファンミーティングでは、あーまんがこれまでの活動を写真で振り返った。デビューの場となるはずだったイベント会場では、入り口の扉に頭が突っかかり泣く泣く辞退したことや、グッズの販売収益の一部を豪雨や地震の被災地へ寄付したことを紹介。「活動できるのはファンの皆さんのおかげ。これからも応援をお願いします」と感謝を語り、あーまんの顔を模したケーキで3周年を祝った。


イベントに登壇したタレントの北川楓夏さん、ラッパーの羅漢さんに、あーまんが今後の活動について相談する場面もあった。

動画投稿サイト「ユーチューブ」の企画案を求められた羅漢さんは「自転車に乗っているだけでもかわいい。日常の何気ない動画こそ見たいと思う」とアドバイス。「テレビに出たい」という夢に対しては、北川さんが「ロケがあると(体が大きくて)入れる場所が限られるのでは」と心配し、会場の笑いを誘った。
ほかに▽映画で主演をやりたい▽秋田県での知名度を上げたい▽あーまんショップを開きたい―など、尽きない夢についても語り合った。

ファンとの交流コーナーでは「あーまんはヒーローとして何と戦っているのか」との質問が飛び出した。「みんなのモヤモヤした気持ちや悩みといった、目には見えない“悪”と戦っている」とあーまんが答えると、羅漢さんが「僕は常に自分自身と戦っています」と語り、会場を沸かせる一幕もあった。
あーまんに将来の夢を聞かれた山口悠翔ちゃん(4)=秋田市土崎港=は「あーまんみたいになりたい」と返答。あーまんは「君もヒーローだぜ」とエールを送った。
このほか、横手市を拠点に活動するご当地ヒーロー「超輝神シャイニンガー」とあーまんが共演したショーや、羅漢さんのライブなどが行われた。あーまんとコラボしたパンや日本酒などの物販も人気を集めた。






イベントの最後には記念撮影会が開かれ、ファンが長蛇の列を作っていた。

秋田市東通の千田美優さん(29)は「初めて見たとき、まるで雷に打たれたような衝撃を感じ、気付けば“沼落ち”していた。あーまんは誰にでも分け隔てなく接してくれる優しさ、人を引き付ける不思議な魅力がある。より多くの人に愛される存在になってほしい」と話した。
「あーまんのおかげで世界が広がった」と話すのは、新潟県小千谷市の宮山岳宏さん(47)。友人から「面白いキャラがいる」と聞いて動画を見ているうち、とりこになったという。今ではあーまんを追い、全国各地のイベントに足を運んでいる。
認知度を高める助けになればと、これまで独自にカードやキーホルダー、缶バッチなどを制作。運営スタッフ側に寄贈したという。「遠方からの参加で心配だったが、イベントを無事に見届けることができてほっとした。あーまんを応援してくれる人が一人でも増えたらうれしい」と語った。
