ロシア版忠犬ハチ公がテーマの日ロ合作映画「ハチとパルマの物語」を手掛ける製作委員会の初会合が7月10日、秋田市山王臨海町のさきがけホールで開かれた。国内公開は来年初夏とし、本県と都内では先行上映を検討していることなどが報告された。
会合には関係者ら24人が参加し、撮影した映像の一部も紹介された。配給会社の東京テアトルと平成プロジェクトによると、撮影は13日にクランクアップを迎える予定で、ロシア国内では10月8日から約千スクリーンで上映を計画しているとした。
映画は、旧ソ連時代の空港で飼い主の帰りを待ち続けた犬パルマの実話を基にしている。検疫検査を通過できず空港に取り残されてしまったシェパードのパルマと、事情を知った少年コーリャの交流を軸に描かれる。日本人に連れられた秋田犬との出合いをきっかけに、コーリャがパルマと飼い主の再会に向けて奮闘する。
国内では昨年11月から今年1月にかけ、大館市でロケが行われた。市観光交流施設「秋田犬の里」の館長役で壇蜜さん(横手市出身)、「秋田犬会館」の館長役として高松潤さん(三種町出身)らが出演。また、平昌冬季五輪フィギュアスケート女子金メダリストのアリーナ・ザギトワさんと、飼い犬の秋田犬「マサル」も特別出演している。
会合では、国内での劇場公開に合わせ、ザギトワさんとマサルを本県に招待する案も示された。費用はクラウドファンディングで募るとした。
プロデューサーの益田祐美子さんは「新型コロナウイルスの影響で撮影の延期もあったが、完成が見えてきてうれしい。心を打つ作品になっているので、多くの人に見てもらいたい」と話した。