忠犬ハチ公の慰霊祭が8日、秋田県大館市のJR大館駅前にある観光交流施設・秋田犬の里で開かれ、市民ら約20人がハチ公銅像に祈りをささげた。
市民有志でつくる「忠犬ハチ公銅像及び秋田犬群像維持会」(富樫安民会長)の主催。富樫会長(76)は「大館が全国、世界から愛されるハチ公の生誕地であることが誇り。ハチ公の力を借りて大きく飛躍することを祈念する」とあいさつした。
ハチ公の生家を継ぐ齋藤良作さん(72)=大館市大子内=と大館南小6年の小林紅羽さん(11)が銅像に花輪を掛け、全員で黙とうした。小林さんは「これからもみんなの心に生き続けてください」とハチ公への手紙を朗読した。
ハチ公は1923年11月に誕生。旧東京帝大教授の上野英三郎博士に飼われ、博士の死後も渋谷駅で帰りを待つ姿が評判となった。35年3月8日に死んでいるのが見つかった。
慰霊祭は命日とされる3月8日の1カ月後に渋谷、大館両駅前でそれぞれ2017年まで行われてきた。18年からは、大館市と渋谷区の関係者が互いを訪問して交流を深めるため、大館での慰霊祭を4月から1カ月ずらし、5月8日に開いている。渋谷区の関係者は今回、新型コロナウイルス感染拡大の影響で参加しなかった。