わさお大賞に「もちまる」 ゆるい雰囲気が観客和ます、大阪大会

長毛種の秋田犬が一堂に会する「わさお大賞」の大阪大会が、大阪府泉大津市で開かれた。20匹がエントリーし、静岡県浜松市の三富重雄さん(49)が飼う「もちまる」(雄、2歳)が大賞に輝いた。

今年のわさお大賞に輝いた「もちまる」と三富さん(右)家族

会場では飼い主が愛犬の得意技などを披露。観客がお気に入りの犬に投票し、大賞を決めた。

もちまるは遠ぼえする時の低い声が特徴。大会当日もアピールポイントにしようと三富さんが満月のイラストの書かれたうちわを見せたり、スマートフォンでサイレン音を聞かせたりしたが、一度も鳴かなかった。

他の特技として「おやつキャッチ」にも挑戦させたが、知らんぷりを貫いた。特技を見せようと必死な三富さんとは対照的な、マイペースなもちまるの様子が観客の心をつかんだようだ。三富さんは「『ゆるい雰囲気がかわいかった』と周囲に声をかけてもらった。とぼけたところが逆によかったのかな」と苦笑い。

三富さんにとって、もちまるは初めて飼う犬だが、結婚した20年ほど前からいつか秋田犬を飼うことを夢見ていた。妻の陽子さん(49)が秋田市出身で、昔から秋田犬を飼っていたという。「飼うなら秋田犬しかないと2人で心に決めていた」

4人の子どもに恵まれ、子育てが落ち着いた2021年、念願の秋田犬を迎え入れた。「しつけや住環境の面で飼育のハードルが高いと思うが、もちまるのおかげでいろんな人とつながったし、さまざまな場所に私たち家族を連れて行ってくれる。人生の幅が広がった」と話した。

長毛の秋田犬が一堂に会した「わさお大賞」大阪大会=11月3日、大阪府泉大津市

わさお大賞は、青森県鰺ケ沢町のイカ焼き店の看板犬で2020年6月に死んだ「わさお」にちなんで同町で開かれていた大会。展覧会などで評価されにくい長毛種に光を当てた。大阪大会は、19年に大賞に選ばれた小次郎(雄、6歳)を飼う河野海さん(46)を中心とした有志が21年から開催しており、今年は11月3日に開かれた。河野さんは「動物の命の大切さや多様性を考えてもらい、参加したみんなが笑顔になってくれたらうれしい」と話している。

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モフモフした毛並みに、つぶらな瞳、くるりと丸まった愛らしいしっぽ。たくましい身体を持ち、飼い主に忠実な性格でも知られる秋田犬は、今や世界中の人気者です。海外での飼育頭数は増え続け、本場の秋田では観光振興に生かそうという動きも活発化してきました。秋田魁新報は「秋田犬新聞」と題し、国内外のさまざまな情報を発信していきます。秋田犬を通して世界と秋田をつなぐ―。そんなメディアを目指していきます。

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