新バイクは「AKITA」 英国製、秋田犬の力強さ由来

  • 2020-10-22
  • 2020-10-22
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 英国製バイクの名前がなぜ「秋田」―。そんな声が聞こえてきそうなバイクが先月、発売された。英国のメーカー「MUTT MOTORCYCLES(マット モーターサイクルズ)」が売り出したのは、その名もずばり「AKITA(アキタ)」。名前の由来は?
 
 アキタを輸入販売する「ピーシーアイ」(東京都)によると、角形の燃料タンクと直線的な短いローシートを組み合わせた力強いデザインが特徴。排気量は125ccと250ccで、街乗りに適している。ブラックとシルバーの2色を展開する。

マット社が発売した「AKITA」。上がブラック、下がシルバー=ピーシーアイ提供

 マット社のバイクはいずれも、レトロでスタイリッシュなデザインが目を引く。主な購買層は20~40代と若く、女性からの人気も高い。日本では2019年6月から全国16カ所のディーラーで販売している。

 マット社はこれまで、雑種犬を意味する「モングレル」や大型犬「マスティフ」など、一部のモデル名を犬の名前にしてきた。アキタは、過去に日本で流行したバイクを参考にデザインしたため、日本犬から名前を取ることになった。そこで選ばれたのが、海外でも忠犬として名高い秋田犬だった。

 ピーシーアイによると、マット社の創設者でアキタをデザインしたベニー・トーマス氏は「日本犬と言えば秋田犬。主人に対して忠実で力強さも兼ね備えた優秀な犬種。このバイクの名前にぴったり。主人に忠実な秋田犬のように、持ち主が乗りやすいバイク」と話しているという。ピーシーアイの天野暁史・二輪事業部長(37)も「英国では、日本犬と言えば秋田犬というくらいイメージが定着していると聞く」と話す。

 欧州では、秋田犬の人気が年々高まっているという。秋田犬保存会(本部・大館市)によると、海外20クラブのうち、欧州にあるのは5クラブ。19年の会員数は計171人だった。欧州に初めてクラブが誕生した10年前に比べ、犬の戸籍にあたる犬籍登録数は増加が続き、19年は175匹に上った。

 ただ、保存会に登録していない秋田犬も相当数いるとみられ、保存会の担当者は「近年、海外から秋田犬を一目見ようと大館市を訪れる人が多く、人気の高まりを感じている」。バイクの名前になったことについては「まさかと驚いたが、うれしく思います」と話した。

 車両本体価格は125ccが53万9千円、250ccが65万4500円。東北では仙台市の「MUTT仙台」で扱っている。問い合わせはMUTT仙台TEL022・241・9871

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わんこがつなぐ世界と秋田

モフモフした毛並みに、つぶらな瞳、くるりと丸まった愛らしいしっぽ。たくましい身体を持ち、飼い主に忠実な性格でも知られる秋田犬は、今や世界中の人気者です。海外での飼育頭数は増え続け、本場の秋田では観光振興に生かそうという動きも活発化してきました。秋田魁新報は「秋田犬新聞」と題し、国内外のさまざまな情報を発信していきます。秋田犬を通して世界と秋田をつなぐ―。そんなメディアを目指していきます。

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