秋田県大館市が新たな「看板犬」として4月から飼育している秋田犬「想空(そら)」が5日、市観光交流施設・秋田犬の里で展示デビューした。今後は月2、3回のペースで展示室にお目見えするほか、各種イベントにも登場し、大館市や秋田犬をPRする。
想空は2月4日生まれの白毛の雄。体長約72センチ、体重約32キロ。名前は公募で県内外から寄せられた654件から決まった。施設で飼育を担当する谷地優季さん(24)が多様な環境に慣れるトレーニングを重ねている。好奇心が旺盛な一方、慎重な面もあり、優しい性格だという。
想空の「勤務初日」となったこの日は、館内でセレモニーを開催。谷地さんと一緒に登場した想空は、来館者約20人を前に少し緊張した様子を見せながら、谷地さんが差し出した手に前足を出したり、寝そべったりしていた。
来館者は「かわいい」「おとなしい子だね」などと言いながら、想空のデビュー姿を写真に収めた。会場では想空の成長を紹介するコーナーや缶バッジがもらえるクイズコーナーも設けられた。
ソフトテニスの東北大会に出場するため大館市を訪れ、母親と来館した宮城県名取市の小学5年生、山家(やんべ)明莉さんは「もふもふでかわいい。秋田犬が大好きなので、デビューに立ち会えてうれしい」と話した。
開館は午前9時~午後5時。入場無料。ガラス越しに秋田犬を見ることができる展示室は午前9時半~午後4時45分で、月曜は休み。
想空は秋田犬の里そばにあるJR大館駅の「観光駅長」にも就く予定。JR秋田支社が10日に委嘱状を交付する。任期は来年9月末まで。臨時列車の出迎えなどを担う。