秋田県大館市で生まれた忠犬ハチ公を題材にした英語の絵本「HACHI―ハチ―」が、ハチ公の命日である3月8日に発刊される。元農林水産省食料産業局長で市地方創生特別顧問の櫻庭英悦さん(潟上市出身)が、大館と秋田犬を世界に発信しようと制作した。市役所で9日、制作発表会が開かれた。
史実を基に、櫻庭さんが日本の中学生が習う程度の英語で執筆。日本語の文も添えた。絵は県産品のパッケージデザインなどを手掛けるノリット・ジャポン(秋田市)に依頼。櫻庭さんと交流のある日本食糧新聞社(東京)から、3千部を自費出版する。
櫻庭さんは都内からリモートで制作発表会に出席。「JR渋谷駅に銅像の建つハチ公の生涯や古里を、海外に分かりやすく紹介したいと思った」と語った。作中では四季を鮮やかに表現した点などを工夫したという。
絵本はA4判、32ページ。1980円。同市など県北4市町村でつくる地域連携DMO・秋田犬ツーリズムのサイトなどを通じ販売する予定。
ハチ公は1923年11月に生まれ、35年3月8日に死んだ。生後間もなく東京の飼い主の元へ送られ、飼い主の死後も渋谷駅で帰りを待つ姿が話題となった。ハチ公の生涯が基となった作品は2009年公開の米映画「HACHI 約束の犬」などがある。