比内地鶏の食肉加工で活用されない頭を主原料としたペットフードが、秋田県大館市の健和食品物産によって開発され、1日から同市の観光交流施設「秋田犬の里」で売り出される。地元のブランドを余すことなく活用し、高い栄養価を生かした無添加の商品を実現した。
商品名は「とっと とろとろ」。大館市産比内地鶏の頭をすりつぶし、北秋田市産赤キクイモを配合したペースト状のペットフード。常用食にかける補完食だが、そのままでも食べられる。比内地鶏は他の鶏に比べ、疲労回復や持久力向上に効果のある成分が多いとされ、赤キクイモは腸内環境を整えるという。
健和食品物産は昨年5月、小松和志さん(49)=東北環境消毒社長=と、阿部健二さん(36)=本家比内地鶏専務=が設立した。阿部さんの会社は比内地鶏を処理、加工販売しており、頭の活用策を探ろうと親交のある小松さんに相談し、3年前から計画を進めた。
2020年度の県ふるさと起業家応援事業費補助金事業に採択され、クラウドファンディング型ふるさと納税で204万円を調達。県からは100万円の補助を受け、生産設備を整えた。
同社が31日に秋田犬の里で開いた会見には秋田犬「勝大(しょうだい)」(3歳)が登場し、新商品を平らげた。代表の小松さんは「比内地鶏のブランドを総合的に上げることにつながる商品。秋田犬と同様、比内地鶏の知名度も高めていきたい」と話した。
1箱は100グラム2袋入りで660円(税込み)。当面は1800箱の限定販売。
問い合わせは健和食品物産TEL0186・57・8844