保護された秋田犬を引き取ろうと考えたとき、クリアすべき条件は何か。保護犬の里親を探す活動に携わる団体や施設に聞いた。
秋田犬の殺処分ゼロを目指す一般社団法人「ワンフォーアキタ」(秋田市)は、保護犬の譲渡条件を細かく定めている。里親の家族構成や年齢については▽小学生以下の子どもがいない▽年齢が55歳以下▽56歳以上の場合、同居する家族が終生責任を持って飼うことができる―などとしている。
同法人のドッグトレーナー・鈴木明子さん(60)は「犬が心を開くまで焦らずに待てる気持ちの余裕や、愛情をたっぷりかけられる環境が必要。まだ親の手のかかる小さい子がいる家庭や、入院などで飼えなくなる可能性がある高齢者への譲渡は難しい。引き取った家が犬にとって『最後の居場所』とならないとだめ」と話す。
県動物愛護センター「ワンニャピアあきた」では、必要に応じてしつけや不妊・去勢手術などをした上で里親を探す。譲渡条件は▽屋内で飼う▽事前に犬の特性を学ぶ▽複数回ワンニャピアに通って触れ合う―など。
高橋俊嗣所長(60)は「保護された理由はさまざま。改善できることはしてから引き渡し、新しい生活を楽しんでもらいたい」と語る。