秋田犬保存会、春の本部展 初の大仙市開催、にぎわう 153匹、容姿の美しさ競う

  • 2023-05-04
  • 2023-05-04
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 秋田犬保存会(本部秋田県大館市)の第147回本部展が3日、大仙市大曲日の出町の大曲市民会館第2駐車場で開かれた。国内外から153匹がエントリーし、国の天然記念物に指定されている秋田犬の容姿の美しさを競った。同市で初の開催とあって、大勢の来場者でにぎわった。

 保存会によると、本部展は「全国秋田犬展覧会」の名で始まり、1942年に当時の大館町で第8回の展覧会を行ったとの記録が残る。51年から春季と秋季の年2回行われ、春季は保存会が本部を置く大館市で、秋季は北海道・東北以外で開催するのが通例だった。

 しかし、本部が入る秋田犬会館(大館市三ノ丸)の改修費助成を求める請願を大館市議会が不採択にしたことを理由に、保存会は本年度の春季は大館市ではなく大仙市で開くと決定した。

審査を受ける秋田犬

 審査は、最も若い幼犬B(6カ月以上8カ月未満)から成犬A(4歳以上)まで、年齢別6部門それぞれで雄雌に分けて行われた。保存会が定めた「秋田犬標準」を基に、審査員7人が秋田犬らしい特徴があるかを1匹ずつ確認。姿勢や毛並み、歯並びの美しさなどを採点した。審査中、犬たちは審査員のチェックが終わるまでじっと前を見て立ち、堂々とした振る舞いを見せた。

 初めて出陳した橋本卓さん(48)=福島県いわき市=は「美しい毛並みを維持するため、毎日タオルで拭いたり、日中は太陽の光になるべく当てないようにしたりした。この日のために愛情を込めて手入れしてきた」と語った。

 初の大仙市開催に、県南地区からも多くの愛好家やファンが訪れた。来場者は審査の様子に見入ったり、写真を撮ったりして楽しんだ。家族で訪れた同市の団体職員三浦祐剛さん(38)は「実際に間近で見比べると、顔つきが全然違う。それぞれの良さがあることが分かった」と話した。

大勢の秋田犬ファンが会場を訪れた

 春季本部展の運営委員長と実行委員長を兼務する濱田正巳・県南支部長(84)=大仙市=は「春季本部展にこれほど観客が集まったのは見たことがない。県外や秋田市から比較的訪れやすいことと、この地域で本部展が珍しいことに加え、天気にも恵まれた」と述べた。

 各部門の最優秀は次の通り。(かっこ内の出陳者は敬称略、地名は支部名)

 【成犬A】▽雄=煌琳(松嶋善久、大阪府)▽雌=聖(水島哲治、北陸)
 【成犬B】▽雄=安房大帝(林洋一、埼玉県中央)▽雌=奈美恵(泉信子、埼玉県)
 【壮犬】▽雄=新城(冷水澄夫、大阪府)▽雌=丸虎(松岡清弘、埼玉県)
 【若犬】▽雄=臣愷(安永信行、福岡中央)▽雌=虎喜(百石麻水、大阪府)
 【幼犬A】▽雄=安房金龍(林洋一、埼玉県中央)▽雌=美銀(松永寿一、千葉県)
 【幼犬B】▽雄=宝凰光(國井武雄、山形県)▽雌=こ寅(田辺明美、三岐)


 

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モフモフした毛並みに、つぶらな瞳、くるりと丸まった愛らしいしっぽ。たくましい身体を持ち、飼い主に忠実な性格でも知られる秋田犬は、今や世界中の人気者です。海外での飼育頭数は増え続け、本場の秋田では観光振興に生かそうという動きも活発化してきました。秋田魁新報は「秋田犬新聞」と題し、国内外のさまざまな情報を発信していきます。秋田犬を通して世界と秋田をつなぐ―。そんなメディアを目指していきます。

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