真逆の性格、深まる愛情 八郎潟町の田村さんとハチ、茶々丸

 秋田県八郎潟町のJR八郎潟駅前にある田村博信さん(72)宅では、対照的な性格の雄2匹が暮らしている。落ち着きのあるハチ(8歳)と、無邪気な茶々丸(1歳9カ月)。田村さんは「2匹を育てる大変さはあるけれど、それ以上の幸せを感じる。愛情は深まるばかりです」と目を細める。

 ハチと茶々丸は、田村さんが自宅敷地内に設けたそれぞれの小屋で暮らしている。自宅は駅前の駐輪場の向かいにあり、通勤や通学の時間帯は人通りも多い。小屋から顔をのぞかせる2匹の姿を、足を止めて見ていく人もいる。正月やお盆には、帰省した人が珍しそうにのぞいていくことがあるという。

 穏やかな性格のハチは、2018年に生後3カ月で迎えた。小屋の前で足を止めた人の方をじっと見つめ返すことがあり、田村さんは「冷静な大人という印象。何があっても慌てることがなく、どっしりしている」と話す。

じゃれ合うハチ(左)と茶々丸

 茶々丸は24年、生後2カ月の時に譲り受けた。「静かなのは寝ている時だけ。小学生みたいなやんちゃさがある」と田村さん。家の前を通る人や車の気配にすぐ反応し、空き缶やペットボトルをおもちゃにして遊ぶ。

 子どもの頃から生き物が好きだったという田村さん。オタマジャクシをカエルに育てたり、熱帯魚やリス、ウサギの飼育に夢中になったりした。高校卒業後に上京し、東海道新幹線や山陽新幹線の食堂車の料理人として働いた。20年ほど前に退職し、古里へ戻ってきた。

 県外で暮らしていた当時は集合住宅住まいだったため、犬を飼いたくても飼えなかった。帰郷後はグレートピレニーズやコーギーを飼っていたが、10年ほど前死んだ。その後、「秋田にいるなら一度は秋田犬を飼いたい」と秋田犬への思いを強く抱くようになった。

 散歩は朝夕の1日2回。2匹とも力が強いため、1匹ずつ歩かせる。朝は午前7時ごろから茶々丸、ハチの順に連れ、駅前や商店街をゆっくりと歩く。夕方も午後4時ごろから同じように散歩するのが日課だ。

散歩中に一休みする田村さんと茶々丸。JR八郎潟駅前や商店街を歩くのが日課だ

 夕方の散歩を終えてご飯を食べると、2匹はすぐに眠りにつくことが多い。急に静かになるため、田村さんは「寝てしまうとちょっとさみしいけど、それもまたかわいい」と笑う。

 ハチと茶々丸は、男鹿市船川港の道の駅おが「オガーレ」にある「秋田犬ふれあい処(どころ)」の展示でも活躍している。毎月1回を目安に参加しており、県内外から大勢の人が訪れるという。田村さんは「自慢の2匹を多くの人に見てもらえてうれしい。秋田犬を通して、秋田はいいところだと知ってもらいたい」と語る。

 春には県内各地の桜の花見に連れて行くのを楽しみにしている。田村さんは「自分も2匹も元気に毎日を過ごせるのが一番。それがずっと続いてくれればいい」と話す。

小屋でハチ(左)と茶々丸を育てる田村さん

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わんこがつなぐ世界と秋田

モフモフした毛並みに、つぶらな瞳、くるりと丸まった愛らしいしっぽ。たくましい身体を持ち、飼い主に忠実な性格でも知られる秋田犬は、今や世界中の人気者です。海外での飼育頭数は増え続け、本場の秋田では観光振興に生かそうという動きも活発化してきました。秋田魁新報は「秋田犬新聞」と題し、国内外のさまざまな情報を発信していきます。秋田犬を通して世界と秋田をつなぐ―。そんなメディアを目指していきます。

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