秋田犬でイノシシ寄せ付けない!大館市が南相馬市に子犬贈る

(左から)大館市の福原市長、大馬を抱く畠山さん、南相馬市の門馬市長

 秋田県大館市は30日、福島県南相馬市に秋田犬の子犬を贈った。東京電力福島第1原発事故後に増えているイノシシなどによる農作物被害への対策として、南相馬市から協力の依頼があった。尿によるマーキングなどで鳥獣を寄せ付けない効果を期待し、現地の他の犬と共に活動するという。

 贈られたのは赤毛の雄で生後約70日の大馬(だいま)。南相馬市の門馬和夫市長が大館市役所を訪れて受け取った。大館市比内町中野の畠山正二さん(78)が育て、福原淳嗣市長が両市名から1字ずつ取って名付けた。今後は福島県多用途犬育成協会長の鈴木延夫さん(79)が中心となって、他の犬と散歩などをさせてパトロールの仕方を覚えさせる。

 門馬市長は、南相馬市小高区の居住者数が東日本大震災前の3分の1以下に減り、高齢化率50%となっている現状を紹介し「人間だけで地域を守るのが難しい状況。大馬君が地域の守りとなるよう大切に育て、交流のシンボルにしたい」と話した。

 贈呈に合わせ両市はこの日、災害時の相互応援協定を結んだ。どちらかの市で大規模災害が起きた場合、被災者の受け入れや生活必需品の提供、職員派遣などで協力する。大館市が県外自治体と災害時の協定を結ぶのは東京都渋谷区などに続き5件目。

 福原市長は「東日本大震災の記憶を絶対に風化させてはいけない。南相馬の明日を共に夢見る友として一緒に進んでいきたい」と話した。

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モフモフした毛並みに、つぶらな瞳、くるりと丸まった愛らしいしっぽ。たくましい身体を持ち、飼い主に忠実な性格でも知られる秋田犬は、今や世界中の人気者です。海外での飼育頭数は増え続け、本場の秋田では観光振興に生かそうという動きも活発化してきました。秋田魁新報は「秋田犬新聞」と題し、国内外のさまざまな情報を発信していきます。秋田犬を通して世界と秋田をつなぐ―。そんなメディアを目指していきます。

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