飼育の達人・それぞれの流儀(2) 野原英隆さん(茨城) 余生も考えて育てよう

  • 2021-05-20
  • 2021-05-21
  • NEWS
  • 1093view

 「初めて飼った秋田犬であんな素晴らしい章をいただいた。ゴルフ初心者が初めてコースに出て、ホールインワンを達成したような気分だった」

 野原英隆さん(70)=茨城県龍ケ崎市=は、2019年12月に埼玉県越谷市で行われた第141回本部展の成犬A部門(4歳以上)で、特に優れた秋田犬に与えられる「秋保名誉章」を獲得したときのことをこう振り返る。

参考招待犬として堂々とした姿を披露した花舞姫と野原さん

 今回の本部展には、19年の受章犬「花舞姫(はなまいひめ)」(雌)が参考招待犬として参加したほか、成犬B(2歳6カ月以上4歳未満)雄部門に「大天空」を出陳し、特優第5席となった。

 元々秋田犬が大好きで、本部展にも足しげく通っていた野原さん。自身でも飼い始めたのは6年ほど前のことだった。「他の飼い主の見よう見まね、手探りでのスタートだった」という。

 運動管理の中でも特に力を入れているのが「引き運動」だ。

 「ただ普通に散歩させるのではなく、こちらがリードを適度に引いた状態で負荷をかけて歩かせることで、胸の部分の筋肉が発達してくる」

 朝夕1時間ずつの散歩の際は、犬の脚への負担を減らすために、アスファルトばかりを歩かせないように気を配っている。

 本部展では、立ち姿の美しさや、大勢の人に囲まれても落ち着いて振る舞えるかも審査のポイントとなる。

 「成犬になってからちゃんとさせようとしても無理。幼い頃から毎日、本番を想定してしっかり立たせ、落ち着かせる癖を付けるようにしている」と話す。

 犬が本部展から引退した後のことも見据えて飼育すべきだと野原さんは考える。

 「名誉章を狙うような犬でも5歳くらいで引退する。余生を考えると、他の人や犬と仲良くできるように育てた方が、犬にとって幸せだと思う」


【飼育の達人・それぞれの流儀】
(1)今井深士さん(岐阜) こだわりの餌は英国製
(3)仲野秀明さん(大阪) 雨の日も散歩欠かさず

>わんこがつなぐ世界と秋田

わんこがつなぐ世界と秋田

モフモフした毛並みに、つぶらな瞳、くるりと丸まった愛らしいしっぽ。たくましい身体を持ち、飼い主に忠実な性格でも知られる秋田犬は、今や世界中の人気者です。海外での飼育頭数は増え続け、本場の秋田では観光振興に生かそうという動きも活発化してきました。秋田魁新報は「秋田犬新聞」と題し、国内外のさまざまな情報を発信していきます。秋田犬を通して世界と秋田をつなぐ―。そんなメディアを目指していきます。

CTR IMG