飼育の達人・それぞれの流儀(3) 仲野秀明さん(大阪) 雨の日も散歩欠かさず

  • 2021-05-21
  • 2021-05-21
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成犬A雄部門では、大阪府八尾市の会社経営・仲野秀明さん(70)の愛犬「五門」(5歳、雄)が最優秀賞に輝いた。

受賞者には内閣総理大臣菅義偉賞が贈られ、特に優れた犬がいた場合に授与される秋保名誉章を除けば、本部展で最も栄誉ある賞とされる。

成犬A雄部門で最優秀賞に輝いた「五門」と仲野さん

五門は2015年9月、秋田犬保存会の遠藤敬会長宅で生まれた。遠藤会長から「優勝を狙える犬だから」と太鼓判を押され、生後6カ月のころに譲り受けた。

何よりも大切なのは運動だな

仲野さんの秋田犬の飼育歴は45年。01年の本部展では秋保名誉章を獲得したことがあり、秋田犬に関して周囲から一目置かれる存在だ。

良い犬を育てるこつについて尋ねると「何よりも大切なのは運動だな」とすぐに答えが返ってきた。

朝は自転車で30分、夜は徒歩で1時間程度、雨の日も風の日も必ず散歩に繰り出しているという。「雨の日は特に大事。外に出て慣らさないと、驚いて耳がちょろちょろ動くようになってしまい、本番で力が発揮できなくなる」

5月3日の本部展では、開会式の際に雨が降り、水を嫌がるような犬も見られたが、五門は日頃のトレーニングの成果もあり、雨や水に驚かず堂々と振る舞っていた。

食事の管理にも気を配っている。日本犬は皮膚が弱く、栄養が偏ると肌が赤くなったり、毛が抜け落ちてしまったりするという。それを防ぐため、人が食べるものではなく、栄養バランスのとれたドッグフードを与えるようにしている。

気温が上がる夏場は体調を崩さないよう、扇風機を回すことも工夫の一つだ。

威風堂々、秋田犬らしく

五門はこれまで、本部展の幼犬A(8カ月以上10カ月未満)で3位、若犬(10カ月以上1歳6カ月未満)と壮犬(1歳6カ月以上2歳6カ月未満)で2位、成犬B(2歳6カ月以上4歳未満)で1位を取り、順調に順位を上げてきた。

表彰される仲野さん(右)と五門

これまでの集大成を見せる今年の審査では、ほかに出場していた犬や大勢の観客にも動じず、落ち着いた立ち姿を披露。審査を務めた齋藤晃・審査部長(58)=千葉県市原市=は「どの犬も素晴らしかったが、五門は特に威風堂々とした秋田犬らしい風貌をしていた」と評価した。

仲野さんは「出世する犬と、状態が落ちてその場限りの成績になる犬がいる。五門は期待に応え、見事に成果を上げてくれた」とほほ笑む。

五門は穏やかな優しい性格で、公園に連れて行くと、集まった小学生らが抱きついてきたり、触ってきたり。近所でも評判だという。

五門はまもなくイタリアへ

しかし、間もなくイタリアの愛犬家に引き取られることが決まっている。「急にいなくなったら、小学生たちも『五門、どこ行った』と寂しがるんちゃうかな。この特優1席がこの子の手土産になったんであればうれしいな」

大会後、仲野さんはそう言って五門を見詰めた。

現在、自宅には生後6カ月の子犬がいる。「おとなしい性格で、どことなく五門に似ているところがある。将来が楽しみ。秋保名誉賞を取れるよう、管理をしっかりして頑張らないと」と話す。


【飼育の達人・それぞれの流儀】
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モフモフした毛並みに、つぶらな瞳、くるりと丸まった愛らしいしっぽ。たくましい身体を持ち、飼い主に忠実な性格でも知られる秋田犬は、今や世界中の人気者です。海外での飼育頭数は増え続け、本場の秋田では観光振興に生かそうという動きも活発化してきました。秋田魁新報は「秋田犬新聞」と題し、国内外のさまざまな情報を発信していきます。秋田犬を通して世界と秋田をつなぐ―。そんなメディアを目指していきます。

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