秋田県大館市中道の「ロイヤルホテル大館」に、雄の「栄斗(えいと)」と雌の「比菜(ひな)」の2匹の秋田犬がいる。「忠犬ハチ公の古里のホテルとして、秋田犬をチームの一員に迎え入れたい」という中村社長の発案で、2017年からホテルで飼育している。中村社長は、東京で暮らしていた父親から、渋谷でハチ公をよく見かけたという話を聞いていたといい、秋田犬に対する思い入れがあった。
2匹はともに5歳。従業員が交代で世話をしている。
栄斗は忠犬ハチ公の「ハチ(8)」を英語にして「エイト」、比菜は比内鶏にちなんで名付けられた。
栄斗はおっとりしていて人懐っこい性格。日中は駐車場脇にある小屋で過ごしている。暑さや寒さが厳しい時は、ホテル内で宿泊客を出迎えることもある。従業員の渡邊優希さん(30)は「最初はやんちゃだったが、最近は看板犬としての風格が出てきた」と評する。
一方、比菜は臆病で、知らない人が来るとほえ出すこともある。ホテルでは主に事務局内で過ごし、散歩以外で人前に出ることはあまりない。
それでも従業員にはよく懐いており、渡邊さんは「怖がりだが、好奇心は旺盛。従業員のアイドルのような存在で、みんなを癒やしてくれている」と話す。
2匹はきょうだいではないが、同じ7月生まれで大の仲良しだ。
渡邊さんは「これからも仲良く元気に過ごしてもらいたい。コロナ禍が収束したら、以前のように皆さんと一緒に誕生日を祝うイベントを開きたい」と話している。