秋田県の観光ポスターといえば、ナマハゲと一緒に堂々とした姿を見せたり、西馬音内盆踊、竿燈まつりなど県内各地の祭りに姿を現したりするなど、秋田犬を前面に押し出したものが話題となった。しかし、4月から始まる東北ディスティネーションキャンペーン(DC)に合わせて登場した新しいポスターは、これまでとは一味違っている。
例えば、燃えるような紅葉の中を運行する阿仁スキー場(北秋田市)のゴンドラをとらえたこのポスターの中に秋田犬が写っているのだが、見つけることができるだろうか。
今年の県の観光ポスターは、「わたしがキラメク秋田県」とのキャッチコピーのもと、春夏秋冬5種類ずつ、計20種類が制作された。仙北市角館町のシダレザクラ、田沢湖、白神山地といった観光名所や伝統行事だけでなく、稲庭うどん、日本酒、ジュンサイ鍋など秋田の食の魅力にも焦点を当てている。そして、それぞれに「秋田犬」がさりげなく登場する。
新たなポスターの狙いについて、県観光振興課は「秋田県をアピールする上で、秋田犬はキラーコンテンツの一つとして定着している。今後も秋田犬を観光PRに活用し続けていくが、今回は遊び心を加え、どこに秋田犬が隠れているか探すのを楽しんでもらおうと考えた」と話している。
登場する秋田犬は、風景の中に小さく写っているものだけでなく、縫いぐるみや鍋の具材となる野菜を秋田犬の顔のようにカットしたものなど、多種多彩である。中には見つけるのが難しそうなものもある。男鹿市の入道埼灯台が登場するポスターも、どこに「秋田犬」がいるのかを見つけるには、ちょっと頭をひねる必要がありそうだ。
ポスターは各1100枚制作。県内の各市町村や観光協会、道の駅などに配布する予定だという。