おしゃれなスイーツの上にはキュートな秋田犬―。秋田市の新屋ガラス工房内にある「Cafe Tasha(カフェ・ターシャ)では、お座りした秋田犬をかたどったクッキーをパフェやケーキにのせている。
2月末までの期間限定で販売しているのは「柚子(ゆず)と甘酒のチョコパフェ」(税込み880円)。カフェを経営するパティシエの酒井美幸さんが、横手のかまくらや湯沢市の「犬っこまつり」など冬祭りをイメージして作り上げた。高さ約6センチのクッキーはもちろん、ユズのジュレ、甘酒のペースト、ガトーショコラなど全て手作り。和洋折衷の複雑な味わいが楽しめる一品だ。
カフェ2019年春にオープン。2年ほど前から、秋田犬のクッキーをパフェやケーキのトッピングに使い始めた。当時、店でアルバイトをしていた秋田公立美術大学の学生が動物の絵を描くのが得意だったということもあり、秋田犬のイラストを描いてもらい、それを基にクッキーの型を制作した。
秋田市出身の酒井さんは、子どものころ、近所にすむ秋田犬が大好きだったという。「耳の後ろをなでるのがとても気持ち良かった。今でも秋田犬のことは大好きです」と笑顔を見せる。「秋田犬のクッキーをのせるとパフェに高さがでて見栄えもぐっと良くなるし、お客さんも『インスタ映えする』と喜んでくれる」と話す。パフェは月替わりだが、秋田犬のクッキーのトッピングは「パフェやケーキに合うかどうかで決めている」ため、登場は不定期になるという。
カフェの名前は、米の絵本作家、園芸家のターシャ・テューダーさん(2008年死去)から取ったという。ターシャさんは自然との調和や自給自足などをモットーに、19世紀の生活様式を続ける「スローライフ」を実践、共感を呼んだ。酒井さんはターシャさんの絵本のファン。ターシャさんのように手作りのスイーツでお客さんをもてなしたいという思いを店名に込めたという。
パフェに使用するガラスの器も、新屋ガラス工房の作家が、酒井さんの意向を踏まえながら制作した。「大きさや形はもちろん、取っ手や高台の色など、パフェに合った器を目指して試作を重ねてもらった」という。「新屋ガラス工房で売られているガラス作品も、作者のこだわりが詰まった手作りの品ばかり。手作りの良さを味わいながら、スイーツを楽しんでもらいたい」と話している。
午前11時半開店、午後4時ラストオーダー。火曜定休(祝日の場合は営業、翌日休み)。