2018年平昌五輪の女子フィギュアスケートで金メダルを獲得し、秋田犬保存会(大館市)から雌犬「マサル」を贈られ話題となったアリーナ・ザギトワさん(19)=ロシア=が23日、大館市を訪れた。特別出演する日ロ共作映画「ハチとパルマの物語」の市民向け先行上映会で「マサルから皆さまによろしくお伝えくださいとのことでした」と舞台あいさつ。市観光交流施設「秋田犬の里」も訪問した。
ほくしか鹿鳴(ろくめい)ホールで開かれた午前の上映会(実行委員会主催)で登壇したザギトワさんは、市民ら約500人に「皆さんこんにちは。私はアリーナ・ザギトワです。元気ですか」と日本語であいさつし、拍手を浴びた。映画の感想を「愛と友情によって、私たちはさまざまなことが可能になります」と語り、PRした。
そして「一番大事なことですね」と、五輪後の18年5月に贈られた愛犬マサルからの“あいさつ”を披露。「長く自宅を離れている間、家族から写真などを送ってもらうと、非常に会いたいという気持ちになります」と強い絆があることを紹介した。
ザギトワさんはこの日、秋田犬の里でマサルのきょうだい「勝大(しょうだい)」と対面。午後の上映会でもあいさつした。
ザギトワさんの来日は、28日からの映画の全国上映に合わせ製作委員会が企画し、大館にも招いた。来日中にはフィギュアスケートの撮影にも臨む。製作委によると、厚生労働省が定める必要な防疫措置に従い、一行の動線を他と分けるなど新型コロナウイルス対策を徹底している。
「ハチとパルマの物語」は、旧ソ連時代の実話を基にしたロシア版忠犬ハチ公の物語で、大館市でもロケが行われた。モスクワの空港に取り残されたシェパード犬パルマと、孤独な少年コーリャの絆を描く。3月からロシアで上映され人気を博し、4月には世界四大映画祭の一つ「モスクワ国際映画祭」に出品された。