秋田県大館市の地域おこし協力隊が飼育している秋田犬「勝大(しょうだい)」と「おもち」の2匹が、任期満了の隊員2人と共に来月末で市を離れる。市は同26日にJR大館駅前の市観光交流施設「秋田犬の里」で卒業セレモニーを開く予定で、2匹は最後の愛嬌(あいきょう)を振りまきファンに別れを告げる。
勝大は2018年2月15日生まれの赤毛の雄。フィギュアスケートのアリーナ・ザギトワさん(19)=ロシア=の愛犬マサルのきょうだい犬で、ザギトワさんが先日、大館市を訪れて対面したことで話題になったばかり。おもちは同じ年の6月1日に生まれた白毛の雌。
勝大は隊員の加藤瞳さん(24)=愛知県出身、おもちは原田櫻さん(23)=能代市出身=が育てている。秋田犬の里の展示室で過ごしたり、2匹との暮らしを会員制交流サイト(SNS)などで発信したりしたほか、市内外のイベントに参加して市をPRしてきた。
加藤さんと原田さんは任期終了後、県外に転出する。市は、2匹が主人に忠実で離任する2人によく懐いていることから、引き続き飼育してもらうことにしている。来月の卒業セレモニーで2人と2匹を送り出す。
秋田犬の里で2匹の成長を見守ってきた佐藤和浩館長は「多くの人に愛されてきたので、いなくなるのは寂しい。最後の日まで2匹の姿を楽しんでほしい」と話した。
市は2人と2匹の後任は置かない。秋田犬の卒業は、19年8月に当時の隊員2人と共に活動を終えた「あこ」と「飛鳥」以来。
2匹の展示日の問い合わせは秋田犬の里TEL0186・59・4649